5分で納得。単身手当と家賃収入どちらが得か

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住宅を購入したばっかりなのに、遠方に赴任が決まってしまったという話はよく聞く話です。せっかくの新しい家を他人に使わせるなんてとんでもないという方もおられるでしょうが、ここではそのような心情とは別に、単身赴任手当10万円と家賃収入10万円ではどちらが得なのか、損得に割り切って考えてみました。

単身赴任手当の場合
まず、単身赴任を選択し、10万円の単身手当が毎月支払われるという場合、まるまる手取りが10万円増えるというわけにはいきません。

サラリーマンは、毎月のお給料から、所得税分を差し引かれていて、それを会社を通して国に支払っています。
この差し引かれるお金を「源泉所得税」といいます。

「源泉所得税」は毎月のお給料の金額から年収を想定して、その年収に見合う税額を毎月分にならして徴収するという形になっています。
どのくらいの月給ならば、どのくらいの金額を徴収するというのは予め、決められていて、たとえば、その年の11月から単身赴任手当を受け取ったとした場合には、その年の年収は11月と12月の二ヶ月分の20万円増える計算になりますが、11月のお給料から差し引かれる徴収分は、1年分の120万円分の収入増を想定した徴収税額をひと月分に引き直した金額となります。
例えば、手当の支給が11月からはじまった場合では、年末調整の時に引かれすぎた税金が戻ってきます。

具体的に、いくらのお給料の場合に、どのくらいの金額が差し引かれるかは、その月の支給金額や家族構成によって違ってきますが、それまで社会保険料や通勤手当等の金額をひいた支給月額が30万円だった人が、手当が増えて40万円受け取ることになった場合の税金の増額分は、4000円から5000円です。
実際の金額は、国税庁のホームページの、給与所得の源泉徴収月額表に当てはめてみるとわかりますが、この時当てはめる金額は、社会保険料を引いた金額です。

10万円の手当が増えると当然社会保険料の金額も増加するので、実際には単純に10万円が増えるわけではないのです。

では、この社会保険料は、どの位増えるでしょうか。
社会保険料については、将来受け取る年金額が増加すると考えれば、一概に損得に結びつくわけではありませんが、ここでは目先の手取り額に限定して考えてみましょう。

政府管掌の保険料として天引きされる金額は、30万円から40万円に支給額が増加した場合では、1万円程変わってきます。
これは、40万円の人が50万円に増加した場合の保険料の金額は更に大きくなり、1万5千円弱にもなります。

ここまで、ざっと見積もって10万円から天引きされる金額は、1万4千円から2万円です。
更に、手当のついた年の年収を基準に次年度の支払うべき住民税額が決定しますから、次年度は、住民税額も増え、さらに手取りは少なくなっていきます。

住民税の税率については、たいていの場合は約10パーセントです。

家賃収入の場合
それでは、家賃収入10万円の計算をしてみましょう。
家賃収入がある場合にも、やはり所得がふえるので、その分はもちろん申告して納税しなくてはなりません。
給与については、会社側がやってくれるので問題ありませんが、家賃収入については、自分が不動産貸付事業者として確定申告が必要です。

所得が増えれば、税金もそれだけ増えますから、家賃収入の場合も最終的な手取り額としては、10万円分がそのまま増えるわけではありません。

この収入については「不動産所得」として給与とは別に計算する点です。
給与扱いとなる単身赴任手当と違う点は、不動産収入の所得の計算の時には、この10万円の家賃収入から経費を引く事ができるところです。

つまり、まるまる10万円がそのまま課税対象となるわけではないことが大きな違いです。

しかも、購入したばかりの、住宅ローンがある場合の住宅については、この住宅ローンの利息分が必要経費となります。

また、住宅の減価償却費も、家賃収入から差し引いて所得を計算してよいことになっています。減価償却費については、実際に現金が出ていくわけではないので、これを経費として差し引く事ができることは大きいことです。
住宅を購入すると、固定資産税を支払うことになりますが、この金額も必要経費です。
どちらにしても、払わなくてはならない金額なので、これも計算上引き算できる事はとても有難いことです。

さらに、その住宅が本当に購入したばかりということであれば、コンロや給湯器を新調するなど、貸し出すにあたっての費用がおさえられるため、実際の出費も少なくすみます。

もし、実際に出費した金額があれば、それはまた金額により経費になったり、減価償却費として数年にわたって差し引く事ができたりしますし、赤字が出た場合には、お給与の分で源泉徴収された金額が戻ってくるかもしれません。

ただ、注意点としては、住宅ローン控除は居住していることが前提で受けることができる制度ですので、自分で居住していないと受けられなる事と、土地は減価しないので、土地部分については減価償却費の計算ができないという点です。

最後に、不動産所得の計算をするために、「帳簿をつけて毎年申告します」という約束をする「青色申告の承認申請」をだしておくと、所得の計算の最後に10万円を差し引いて計算しても良いという特典を受ける事ができます。

この特典を受けるためには、「不動産貸付業として開業しました。」という事と、「青色申告したい」という届出を管轄の税務署に届けておく事が必要になります。

開業後は2ヶ月以内に提出しておけば、その年は10万円を引いて計算できますが、以後の年に、この特典を受けたいと思った場合には、その年の3月15日までに青色申告の申請をしておくことが必要になります。

10万円の使い道
以上のように、額面の10万円は、手取りとして考えると目減りしてしまいますので、実際に使える金額はどちらも10万円ではありませんが、この額面10万円を何に充てるかということについて考えてみると、単身赴任手当の場合には、帰省の交通費や2重生活の生活費に充てる事になるでしょうが、不動産収入については、賃貸中の修繕費や、将来自宅へ戻るときの修繕のための費用などを想定して備えておけば良いと思います。

カテゴリ:単身赴任